安楽国(あんらっこく)って、どんな意味?#346

第346回目のラジオ配信。「安楽国」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)

かっけい
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浄土真宗のお葬式では、葬儀社の方から「最後は、安楽国(あんらっこく)で終わりですね」と言われることがあります。

安楽国って何なのでしょうか?

安楽国とは阿弥陀様のお浄土のことです。

今回は「往生安楽国」という回向の言葉を手がかりに、浄土真宗のお葬式でよく耳にする「安楽国」という言葉についてお話ししました。

内容まとめ
  • 安楽国(あんらくこく・あんらっこく)とは、阿弥陀様のお浄土のこと
  • 阿弥陀様のお浄土には「極楽」「安楽国」「安養」「報土」など、さまざまな表現がある
  • 極楽と安楽国は、全く別の場所を指しているわけではない
  • 「願以此功徳 平等施一切 同発菩提心 往生安楽国」という回向の最後に安楽国が出てくる
  • 安楽国は単なるお葬式や法事の締めの合図ではなく、阿弥陀様のお浄土に生まれ往くという浄土真宗の大切な教えを表している

かっけいの円龍寺ラジオ

これは香川県丸亀市にいる浄土真宗のお坊さん、私かっけいの音声配信です。

今回は「安楽国(あんらくこく)」をテーマにしてお話ししていきます。

さて皆さん、「あんらっこく」という言葉を聞いたことがありますか?

この言葉は浄土真宗のお葬式で、私はよく耳にする言葉なんですね。

というのも、葬儀社の方と葬儀のお勤めの流れを確認していると、

「では、最後はあんらっこくで、続いて合掌礼拝、退出ですね」と、よく言われます。

浄土真宗のお葬式に慣れている葬儀社さんは、こういう言い方をすることがよくあるんですね。

確かに、私たちお坊さんにとっても「あんらっこく」と言われれば、

「ああ、あの箇所ね」と、すぐに分かる言葉なんですが、ではそもそも、この「安楽国」とは何なんでしょうか。

葬儀社の方は、お経のお勤めの締めの言葉が「あんらっこく」という認識なのかもしれませんが、もちろん「あんらっこく」は、単なるお勤めの締めの言葉ではありません。

浄土真宗の大切な言葉なんですね。

浄土真宗でいう「安楽国」とは阿弥陀様のお浄土のことです。

阿弥陀様のお浄土の世界を、「安楽国(あんらくこく)」、あるいは「あんらっこく」と呼んでいるんですね。

ところで、皆さんはこんな疑問がありませんか?

「阿弥陀様のお浄土は、『極楽浄土』じゃないの?」と。

極楽浄土も正しいんです。

実は、阿弥陀様のお浄土の世界を指す言葉はいろいろあるんですね。

安楽国も極楽も、阿弥陀様のお浄土を指します。

他には「安養(あんにょう)」や「報土(ほうど)」という言葉も使います。

またお経文の中では「生彼国(しょうひこく)」という表現も出てきます。

「彼の国・阿弥陀仏の国に生まれる」という意味で、「生彼国」という言葉が使われるんですね。

安楽国、極楽、安養、報土、生彼国など、いろんな言葉が出てきます。

もう一度言いますが、これはそれぞれが全く別の場所を指しているわけではありません。

阿弥陀様のお浄土を、それぞれ違った言葉で表しているんですね。

例えば「極楽」という言葉が一番有名ですよね。

「極楽」といえば、仏教では阿弥陀様のお浄土を指す言葉として、皆さんにも一番よく知られていると思います。

極楽というのは、文字通り、楽が極まった世界。

この上なく楽しいところ、苦しみのないところ、という意味を持った言葉です。

ですから、「極楽」といえば「阿弥陀様のお浄土」ということですね。

そして次に、「安楽」という言葉です。

これに「国」がついて、「あんらくこく」あるいは「あんらっこく」

と言われます。

これは、安らかで苦しみのないという意味です。

意味的には「極楽」も「安楽」もよく似ています。

インドの言葉で説かれたお経が、中国で漢訳されるときに、「極楽」と訳されたり「安楽」と訳されたりしたんですね。

『仏説阿弥陀経』では「極楽」という言葉が使われ、『仏説無量寿経』では「安楽」や「安養」といった言葉が使われています。

だから、「極楽」と「安楽国」は、全然違う意味なのではなくて、どちらも阿弥陀様のお浄土を表す言葉なんですね。

さて最初の話に戻りますね。

お葬式のとき、葬儀社の方が今日の段取りの打ち合わせをしていると、「最後は安楽国ですね」と言います。

これは実際、そのとおりなんですね。

浄土真宗のお葬式や法事では、最後の回向として、

「願以此功徳 平等施一切 同発菩提心 往生安楽国」

という言葉が読まれることが多いんですね。

回向の言葉はいろいろあるんですが、この「願以此功徳 平等施一切 同発菩提心 往生安楽国」という回向が、よくお勤めされているでしょう。

この回向の最後のところに「往生安楽国」と出てくるわけです。

「往生安楽国」というのは「安楽国に往生する」という言葉です。

ですから、葬儀のお勤めの流れを確認していると「最後は安楽国ですね」という言葉が葬儀社の方から出てくるわけです。

そして、この「あんらっこく」の後で、合掌礼拝をして退席します。

ここで大事なのは「安楽国」という名前のお経やお勤めがあるわけではない、ということです。

回向の一つに「願以此功徳 平等施一切 同発菩提心 往生安楽国」という言葉があり、その最後に「安楽国」という言葉が出てくるんですね。

それで、葬儀社の方が打ち合わせで「最後は安楽国ですね」と、式の進行を確認するために使われているわけです。

葬儀社の方からすると、「最後は安楽国」と言えば、浄土真宗のお葬式のお勤めの最後の部分をすぐに確認できる。

そういう現場で分かりやすい言葉になっているんでしょうね。

ただ、ここで最後に一つ、注意しておきたいことがあります。

浄土真宗のお勤めは、最後が「安楽国」で終わることが確かに多いです。

しかし回向の言葉は「あんらっこく」で終わるものだけではありません。

回向にはいろいろな言葉があります。

また、阿弥陀様のお浄土を表す言葉もいろいろあります。

「極楽」であったり、「安楽国」であったり、「安養浄土」であったり、「報土」であったり、「生彼国」と表現されることもあります。

日常では「極楽」という言葉の方が使われることが多くて、「あんらっこく」や「安養」という言葉を聞くことはほとんどないでしょう。

でも、浄土真宗のお勤めの中ではこうした言葉がよく出てきます。

だから葬儀社の方にとっては「安楽国」という言葉が、浄土真宗のお葬式を象徴するような、締めの合図のようなものとして分かりやすい言葉になっているのかもしれません。

でもこれは「亡くなった人を、どこかへ送り出すための決まり文句」というだけではありません。

阿弥陀様のお浄土を「安楽国」と呼び、その浄土に生まれ往くことを「往生安楽国」と表している。

そういう浄土真宗の教えをいただいた回向の言葉なんですね。

普段、葬儀社の方との打ち合わせで、「最後は安楽国ですね」と、当たり前のように使われている言葉ですが、これは単に式の締めの言葉ではなく、回向の中の最後の一句であり、そこには、阿弥陀様のお浄土に生まれ往くという、浄土真宗の大切な教えが入っているお勤めなんですね。

そのことは、誤解のないようにしていただきたいと思います。

今回は「安楽国」についてお話ししました。

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