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第350回目のラジオ配信。「浄土真宗のお寺の特徴」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)

今回の円龍寺ラジオでは浄土真宗のお寺の特徴についてお話ししました。
浄土真宗ではご本尊様を秘仏にすることはあまりないです。
その他、御朱印やおみくじを扱わない理由、お寺の運営を支えるご懇志のことなど、浄土真宗のお寺がどのような場所なのかを話しました。
かっけいの円龍寺ラジオ。
これは香川県丸亀市にいる浄土真宗のお坊さん、私かっけいの音声配信です。
今回は、浄土真宗のお寺の特徴についてお話ししていきます。
先日ニュースで、愛知県豊川市にある豊川稲荷という曹洞宗のお寺で、72年ぶりとなる秘仏の御開帳が始まったという話題を目にしました。
豊川稲荷では豊川吒枳尼真天という尊天さまが秘仏としてお祀りされていて、このたび72年ぶりに御開帳され、特別に公開されているそうです。
浄土真宗のお寺のお坊さんである私からすると、この秘仏というものが不思議に感じられるんですね。
というのも、浄土真宗のお寺ではご本尊の阿弥陀如来を秘仏として、普段は扉を閉めて人目に触れさせないということは基本的にないからです。
以前にも、194回目の音声配信で、秘仏についてお話ししたことがあります。興味のある方は、円龍寺のブログに載せていますのでそちらもご覧ください。
今回は、そうした曹洞宗のお寺、豊川稲荷での72年ぶりの秘仏の公開というニュースをきっかけに、じゃあ、浄土真宗のお寺にはどんな特徴があるのかということをいくつか取り上げてお話していきます。
まず一つ目の特徴は、浄土真宗の仏さま、ご本尊の阿弥陀如来はいつでもお参りできるということです。
浄土真宗のお寺では、基本的にご本尊さまを秘仏にはしません。お寺にお参りできる時間であれば、阿弥陀如来のお姿を拝めるようにおまつりしています。
もちろんお寺の事情によっていつでも本堂に入れるとは限りません。でも、仏さまを厨子に納めて扉を閉じ、普段は見せないようにしておいて、特定の日にだけ公開するという考えはないんですね。
普段のお参りでいつでも阿弥陀様のお姿を拝むことができます。
ただし、浄土真宗のお寺でも特別な法要のときに厨子のお扉を開け閉めすることはありますよ。それは秘仏を公開するという意味ではなく、儀式法要の始まりや終わりに合わせた儀礼として行われるものです。
二つ目の特徴は、拝観料を取らないお寺が多いということです。
浄土真宗のお寺は観光施設として仏様や建物を見てもらうというよりも、日頃からお参りしていただく場所です。
たとえば、京都にある東本願寺や西本願寺も普段のお参りに拝観料は必要ありません。国宝や重要文化財に指定されている建物があっても、通常の参拝は無料でできます。
もちろん、歴史的な貴重なものの特別な展示などでは料金が必要になる場合はありますが、基本的にはお寺にお参りするのにお金をとりません。
おそらく多くの浄土真宗のお寺では、仏様を拝むために拝観料を納めるという形を取っていないところが多いと思います。
三つ目は、御朱印やお札やおみくじが基本的にありません。
神社やお寺にお参りすると、御朱印をいただいたり、お守りやお札を受けたり、おみくじを引いたりすることがありますよね。それを楽しみに寺社仏閣を訪れる人も多いと思います。
ところが、浄土真宗のお寺ではこうしたものを基本的に扱っていません。
もちろん、浄土真宗のそれぞれの寺院によって独自の取り組みがあるかもしれませんが、一般的には御朱印やおみくじを授与するという習慣はありません。
四つ目の特徴は、浄土真宗のお寺は願掛けをする場所というよりも、仏様の教えを聞く場所だということです。
なぜかというと、浄土真宗では、阿弥陀様にお願いごとをして、私の願いをかなえてもらうという教えではないからです。
浄土真宗の門信徒の私たちは、阿弥陀様の本願によって救われる身であると聞かせていただきます。
自分の願いをかなえるために仏像を拝み、仏様にお願いするのではなく、阿弥陀様が私たちを救おうとはたらいてくださっている、その教えを聞かせていただくんですね。
ですので、お札やおみくじで運勢を占ったり、御朱印を集めたりすることは、浄土真宗のお寺の目的ではありません。
繰り返しますが、浄土真宗のお寺にお参りするのは願掛けのためではなく、仏法を聞くことにあります。
もちろん商売繁盛や家内安全、病気平癒など、何か願いごとがあって神社やお寺にお参りすること自体を否定するわけではありません。
ただ、浄土真宗のお寺では、そうした私自身の願いごとをかなえてもらうためにお参りするというよりも、阿弥陀様の教えを聞き、仏様のご恩を味わう場としてお寺があります。
お寺では、報恩講や永代経、彼岸会などさまざまな法要がお勤めされています。
そうした法要にお参りして先祖を偲び、お経を読んだり、仏教のお話を聞いたりする。そのようにして、私たちが仏法に出遇う場所が浄土真宗のお寺なんですね。
五つ目の特徴は、お寺が地域に開かれているということです。
これは私自身がいつも大切にしていることです。
浄土真宗のお寺は、そのお寺の門信徒だけがお参りできる、特別な人だけが入れる場所ではありません。どなたでもお参りしていただける場所です。
山門の開け閉めはお寺によって事情が異なりますが、私のお寺では毎日開け閉めしています。法要のときだけ門を開けるのではなく、日頃からどなたでもお参りできるようにしておきたいと思っているからです。
もちろん、お寺によって事情は異なるでしょうから、山門の開け閉めを普段はしていないお寺もあると思います。私のお寺も日が暮れると防犯上の理由で山門を閉めます。
それでも、浄土真宗のお寺は誰もが自由に、特別な用事がなくてもお寺にお参りできる場所であってほしいと思います。
そして最後に、お寺の運営についてもかんたんに触れておきます。
浄土真宗のお寺では、一般に、お願いごとをかなえるための祈祷を行って祈祷料をいただくという形はとりません。また、普段のお参りに拝観料を設けていないお寺が多いと思います。 御門信徒のみなさんやお参りくださる方から、ご懇志や浄財をいただいてお寺を護持運営しています。
浄土真宗のお寺には賽銭箱がないお寺が多いと思います。賽銭箱のような箱が置かれているお寺でも、浄財や冥加といった言葉が書かれていることもあります。
ここに入れられるお金は、願掛けのためのお金ではなく、お寺の維持や運営のために寄せていただくお気持ちのお金になります。
これは決まった金額を納めるものではありません。
多くの浄土真宗のお寺では、普段のお参りに拝観料を設けず、皆様からのそういったお気持ちによる支えによって、仏様にお参りできる場所として護持されているのが、大きな特徴なんですね。
今回は浄土真宗のお寺の特徴について、いくつかお話ししてみました。
ご本尊を秘仏にせず、普段からお参りできること。拝観料を取らないお寺が多いこと。御朱印やお札、おみくじを基本的に扱わないこと。そして、願掛けをする場所というよりも、仏様の教えを聞く場所であること。さらに、誰もが訪れることのできる開かれた場所として、ご門信徒の皆さんのご懇志に支えられていること。
今回の豊川稲荷の御開帳のニュースを見て、改めて浄土真宗のお寺の特徴についてお話してみたいと思いました。
宗派が違えば、お寺の歴史や信仰、行事のあり方も違います。秘仏にするのが良いとかふさわしくないということではありません。
それぞれのお寺に、それぞれが大切にしている教えや伝統があるでしょう。
そのうえで、浄土真宗のお寺がどんな場所なのか、少しでも知っていただけたらと思います。
今回は浄土真宗のお寺の特徴についてお話ししました。


