
台風や大雨、大雪などで、予定していた年忌法事の日の天候が悪くなったら、法事はどうすればいいのでしょうか。
- 予定どおり法事をするの?
- 延期したほうがいいの?
- お坊さんは来てくれるの?
- 親戚みんなが集まれなくても大丈夫?
この記事では、ご自宅などで行う年忌法事について、悪天候のときの考え方を説明します。
先に結論を言うと、予定どおり法事をするのか延期するのかを決めるのは、基本的に施主さんです。
施主さんから延期の連絡がなければ、お寺は「予定どおり法事がある」と考えてお参りに向かいます。
台風や大雪などで交通事情が大きく変わり、お坊さんがお参りできないあるいは時間どおりに到着できないような場合には、お寺から施主さんに連絡をして相談します。
仏事を大切にすることと、危険を冒してまで出かけることは別の話です。
無理をせずそのときの状況に合わせて考えることが大切です。
法事の日は、ご命日の前でも後でも大丈夫
年忌法事の日程について少し説明します。
- 法事は命日にしなければならない
- 命日より前にしないといけない
- 命日を過ぎてはいけない
と思われている方もいるかもしれません。
もちろん、ご命日の当日に年忌法事を勤められるのであれば、それがいいでしょう。
しかし、現代では親戚が遠方に住んでいたり仕事や学校などの都合があったりして、亡くなられたご命日の日に全員が集まることは難しい場合があります。
浄土真宗では、ご命日より前に勤める法要を予修法要(よしゅうほうよう)、ご命日より後に勤める法要を延修法要(えんしゅうほうよう)といいます。
台風や大雪などでどうしても予定していた日に法事を勤めることが難しい事情があるなら、後日に改めて勤めることもできます。延修法要と言って、立派な法事です。
「予定していた日にできなかったら、もう法事ができない」ということではありません。
年忌法事を延期するかどうかは、施主さんが決めます
家で行う年忌法事では、施主さんが親戚に案内をし、お寺にも日時を伝えて、お坊さんにお参りをお願いしています。
つまり年忌法事を準備している中心は施主さんです。
そのため、台風や大雨、大雪などで「今回は延期したほうがいい」と判断した場合は、施主さんからお寺に連絡してください。
たとえば
「台風が近づいていて、親戚が安全に来られそうにありません」
「大雪で道路が通れそうにありません」
「遠方の親戚が飛行機で帰ってこられません」
というような場合です。
そのときは、お寺と相談して法事を後日に改めることができます。
延期する場合は、お寺だけでなく法事に案内していた親戚などにも連絡してましょう。
施主さんから連絡がなければ、お寺は予定どおりお参りに向かいます
警報が発令しているような悪天候のときでも施主さんから「延期します」という連絡がなければ、お寺は予定どおり年忌法事があるものと思っています。
お寺では、その時間をその家の法事のために承っています。
台風や大雪が予想されているからといって、お寺の側から勝手に「今回は中止でしょう」と判断することはありません。
施主さんから何も連絡がなければ、「予定どおり法事がある」と考えて、お参りに向かいます。
以前、香川県では珍しく道路が完全に凍結するほど雪が降ったことがありました。
そのときも予定していた年忌法事について施主さんから延期の連絡はありませんでした。
そのため、私も法事が予定どおり行われるものと思い、慎重に慎重に車を運転して、その家までお参りに向かいました。
このように、施主さんから連絡がなければお寺は法事があるものとして動いています。
お坊さんが安全にお参りできない場合もあります
とはいえ「どんな状況でも必ずお坊さんが行く」という意味ではありません。
台風や大雪などによって
- 道路が通行できない
- 土砂災害などで通行止めになっている
- 公共交通機関が止まっている
- その他、安全に移動できない状況になっている
という場合には、お坊さんがお参りできないこともあります。
また安全に移動できたとしても、道路事情などによって予定の時間に到着できないこともあります。
そのような場合はお寺から施主さんに連絡をして、今日の法事をどうするか相談します。
大切なのは、仏事を大切にすることと、危険を冒すことは同じではないということです。
親戚全員が参加できなくても、法事はできます
では、法事を予定どおり行うことになったものの、台風や大雪のために親戚の一部が来られなくなった場合はどうでしょうか。
この場合、親戚全員がそろわなくても、年忌法事を勤めることはできます。
たとえば近くに住んでいる家族は来られるけれど、遠方から来る予定だった親戚は交通機関が止まって参加できない、ということもあるでしょう。
その場合は無理に危険な思いをして移動をしてもらう必要はありません。
参加できる人で法事を勤め、来られなかった人には、後から法事を勤めたことを伝えるという形でもよいでしょう。
出席できない場合には、施主さんに連絡をしておくと安心です。
そして、天候が落ち着いてから改めてお仏壇やお墓にお参りするなど、それぞれの事情に合わせて考えてみてください。
法事を延期して、後日に改めて勤めても大丈夫です
もちろん参加者の安全を考えて、法事そのものを延期するという方法もあります。
実際、2020年に新型コロナウイルスの感染が広がり、外出や集まりが難しかった時期には、予定していた年忌法事を数か月後、場合によっては半年ほど後に遅らせて改めて勤めることもありました。
台風や大雪などでも、それと同じように、無理にその日に行う必要はありません。
先ほど説明したように、浄土真宗では、ご命日の前に勤める予修法要、ご命日の後に勤める延修法要という考え方があります。
どうしてもその日にできない事情があるのであれば、後日に日を改めて勤めればよいのです。
悪天候のときは、その状況に合わせて考える
悪天候だからといって、必ず延期しなければならないわけではありません。
反対に、予定を立てたからといって危険な状況でも無理をして法事を行わなければならないわけでもありません。
そのときの状況によって
- 予定どおり法事をする
- 参加できる人だけで法事をする
- 法事そのものを後日に延期する
という選択肢があります。
たとえば遠方の親戚が来られなくなっただけなら、近くの家族と一緒に予定どおり法事を勤めることもできます。
一方で、台風や大雪が非常に強く、お参りの方々やお坊さんの移動そのものが危険であると判断されれば、無理をせず延期することもできます。
大切なのは、そのときの状況を見ながら安全を優先して判断することです。それは施主の役目とも言えます。
まとめ
家で行う年忌法事について、悪天候のときに覚えておいてほしいことをまとめます。
- 年忌法事を予定どおり行うか、延期するかは、基本的に施主さんが判断します
- 延期したい場合は、お寺に連絡してください
- 施主さんから連絡がなければ、お寺は予定どおり法事があるものとしてお参りに向かいます
- お坊さんが安全に移動できない場合や、予定どおり到着できない場合は、お寺から施主さんに連絡して相談します
- 親戚全員がそろわなくても、来られる人だけで法事を勤めることができます
- 危険な場合は、無理をせず後日に延期しても大丈夫です
- 浄土真宗には、ご命日前にする法事の「予修法要」、ご命日より後の「延修法要」という考え方があります
仏事を大切にしながら、安全を優先して、そのときにできる形で年忌法事を勤める。
悪天候のときには、そう考えていただければと思います。
関連する音声配信
今回の記事に関連して、かっけいの円龍寺ラジオでも、台風や大雨大雪など、悪天候のときの年忌法事についてお話ししています。
円龍寺ラジオ #344「台風や大雪のとき、年忌法事はどうする?延期や中止の考え方」
音声では、私自身が道路の凍結した日に年忌法事へお参りした経験なども交えながら、今回の記事の内容を分かりやすくお話ししています。
また、悪天候の時のお寺の法要にお参りすべきかどうかのこともお話しました。
※このページは2018年に書いた記事をもとに内容を整理し、現在の考えに合わせて2026年に書き直しています。




