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第344回目のラジオ配信。「台風や大雨のとき、法事はどうする」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)

台風や大雨、大雪などで、予定していた年忌法事の日の天候が悪くなったら、法事はどうすればいいのでしょうか?
「延期したほうがいいのかな?」
「お坊さんは来てくれるのかな?」
「親戚みんなが来られなくても大丈夫なのかな?」
今回は、家で行う年忌法事について、悪天候のときの考え方をお話しします。
かっけいの円龍寺ラジオ
これは香川県丸亀市にいる浄土真宗のお坊さん、私かっけいの音声配信です。
今回は、台風や大雨、大雪など、天候が悪いときの「年忌法事」についてのお話です。
お寺で行う法要ではなく、皆さんが家で行う年忌法事についてのお話です。
悪天候のときのお寺での法要については、また別の機会にお話しします。
さて、こんな経験はないでしょうか。
年忌法事の日が近づいてきたのに、
台風が近づいている。
大雨が降っている。
大雪で道路が大変なことになっている。
警報が出ている。
そんなとき、
「予定していた年忌法事、どうしたらいいんだろう?」
「延期したほうがいいのかな?」
「お坊さんは来てくれるのかな?」
と、迷うことがあると思います。
結論から言いますと、
家で行う年忌法事の場合、予定どおり法事をするか、延期するかを決めるのは、基本的に施主さんです。
ここが大事なところです。
例えば、
「今年は父の七回忌だから、家族や親戚に声をかけて、年忌法事を家でしよう」
と施主さんが決めたとします。
そして、お寺・お坊さんに、
「○月○日の午前中に、父の年忌法事をお願いします」
と連絡します。
そうして、年忌法事の日取りが決まりますよね。
つまり、その年忌法事を主催しているのは、お寺ではありません。
施主さんです。
ですから、台風が来たから、
「今日は危ないので、延期します」
と決めるのも、基本的には施主さんになります。
例えば、法事の前日や当日に、
「台風がかなり近づいている」
「道路が浸水している」
「橋が通れなくなっている」
「公共交通機関が止まっている」
そういう状況になって、
「今日は延期したいです」
とお寺に連絡をいただいたら、
「分かりました。では、また改めて日にちを相談しましょう」
となります。
そして、お参りに来られる予定のご親戚の皆さんにも、そのことを連絡すればいいんですね。
一方で、施主さんから何も連絡がなければ、お寺としては、
「今日は予定どおり年忌法事がある」
と思います。
ですから、お坊さんは予定どおり、そのお宅へお参りに向かいます。
実際、私もそういう経験があります。
私は香川県の丸亀にいますから、雪が積もったり、道路が凍結したりすることは、そうありません。
ところが、あるとき、道路がしっかり凍っていたことがありました。
路面がツルツルに凍っていますから、
「これは怖いな」
と感じました。
その日も、ご門徒さんの家で年忌法事の予定が入っていました。
でも、施主さんから延期の連絡は何もありませんでした。
なので、お寺としては、
「今日は年忌法事がある」
と思っています。
ということで、私も車でそのご門徒さんのお宅へ向かいました。
もちろん、いつもと同じように運転するわけにはいきません。
路面が凍っていますから、
「滑らないかな」
「大丈夫かな」
と思いながら、
本当に慎重に、慎重に、ゆっくりと運転していきました。
こういうことがありますから、
「天気が悪くなったら、お寺のほうで勝手に延期してくれるだろう」
と思わないほうがいいんですね。
家で年忌法事をするなら、まずは施主さんが判断する。
延期したいのであれば、お寺に連絡する。
そして、お参りに来る予定のご親戚の皆さんにも連絡する。
これが基本です。
ただし、お寺の側から連絡する場合もあります。
例えば、
道路が通行止めになっている。
公共交通機関が止まっている。
道路が陥没したり、水浸しで危険な状態になっている。
どうしても予定していた時間に到着できない。
そういう場合です。
そのときには、お寺から施主さんに、
「申し訳ありませんが、今日は予定どおりにお参りすることが難しそうです」
と連絡することがあります。
これは、お寺が勝手に年忌法事を中止するということではありません。
お坊さんが約束の時間に行くことができないので、施主さんに事情を伝えて相談している。
そういうことです。
では、
「台風が来たら、年忌法事は必ず延期しないといけないのか?」
というと、そういうことでもありません。
危険がなければ、予定どおり勤めてもいいんです。
あるいは、お参りに来られそうな人だけで年忌法事を勤めてもいいんです。
遠方の方には、
「今日は足元が悪いので、無理に来なくても大丈夫ですよ」
とお伝えしてもいいんです。
そして、もし危険だと思えば、法事を延期してもいいんです。
そのときの状況に合わせればいいんです。
そして、浄土真宗では、年忌法事の日がご命日から少し前後したからといって、
「その法事はダメですよ」
ということにはなりません。
ご命日より前に勤めることを「予修法要」。
ご命日より後に勤めることを「延修法要」といいます。
つまり、事情があって、ご命日より一か月、二か月と後の日に改めて勤めることもできます。
これは台風や大雪だけではありません。
例えば、2020年には新型コロナウイルスが流行しましたよね。
あのときには、予定していた年忌法事を数か月、あるいは半年くらい延期したというケースも多々ありました。
親戚みんなで集まることが難しい。
高齢の方に移動して来ていただくのも心配。
そういう状況なら、
「今は無理をしないで、落ち着いてから改めて年忌法事をしましょう」
ということもできるんです。
また、
「予定していた親戚全員がそろわないと、年忌法事ができない」
ということでもありません。
例えば、10人集まる予定だったけれど、台風で遠方の人が来られない。
それなら、近くの案内している人、家族だけで年忌法事を勤める。
それでも構いません。
あるいは、みんなが集まれる日まで延期する。
それでもいいんです。
大切なのは、
明らかに危険なときには、無理をしないこと。
仏事を大切にすることと、危険を冒すことはまた別です。
そして、もう一つ覚えておいていただきたいのが、
施主さんから延期の連絡がなければ、お寺は年忌法事があるものと思って、お参りに向かう
ということです。
「今日は台風だから、きっと中止だろう」
と、お寺が勝手に判断するわけではありません。
施主さんから連絡がなければ、
「今日も年忌法事がある」
と思って、お参りに向かいます。
もちろん、道路が完全に通れない。
公共交通機関が動いていない。
安全に時間通りに移動できない。
そういう場合には、お寺から施主さんに連絡して、どうするか相談します。
ということで今回は、
「台風や大雪など、悪天候のとき、家で行う年忌法事はどうするのか」
というお話をしました。
ポイントは、
年忌法事の主催者は施主さんであること。
延期したいときは、お寺に連絡すること。
お参りが難しい人、遠くのご親戚には、無理をしなくてもいいと伝えること。
そして、延期をした場合には、落ち着いたときに改めて年忌法事を勤めること。
浄土真宗では、ご命日より後の日に勤める「延修法要」という考え方もあります。
台風でも、大雨でも、大雪でも、地震でも、
「年忌法事だから、何としてでも予定どおりの日にしないといけない」
と考えすぎなくても大丈夫です。
危険なときには無理をしない。
安全を優先する。
そして、落ち着いたときに、できる形で年忌法事を勤める。
そう考えていただければいいんじゃないかなと思います。
今回の音声は、2018年に公開していた「台風のような悪天候では法事をどうする」という記事を、今回のラジオ配信に合わせて内容を整理し直したものです。
2018年のブログ記事も書き直したのでご覧ください。

